ワカサギ釣りをしたことがある人なら、経験があると思いますが、ワカサギ釣りをすると鱗が釣具や指にたくさんくっついてしまいます。
愛用のワカサギ竿は、グリップがすっかりワカサギの鱗で覆われてしまっています。
ワカサギ竿を拡大してみると、1㎜ほどの小さな鱗がたくさんはりついています。
この鱗をもっと詳しく見てみようと思い、先日釣ったワカサギから鱗を採取しておきました。鱗を採取したワカサギは、全長83㎜、体長70㎜で平均的なサイズの個体です。
かなり小さいので、ピンセットでつまみプレパラートにして実体顕微鏡で観察してみました。
一般に魚類の鱗には円鱗と櫛鱗がありますが、ワカサギの鱗は露出部がなめらかな円鱗です。形は角の取れたひし形に近いでしょうか。
同心円状の線は魚の成長とともに形成される成長線で、「隆起線」と呼ばれます。隆起線には季節による成長速度の変化による隆起線間隔の粗密ができ、春から夏にはよく成長するので間隔は広くなりますが(成長帯)、冬場には成長が遅いので間隔が狭くなります(休止帯)。
写真の鱗の隆起線は少なく間隔ほぼ同じで、休止帯は見られませんでした。ワカサギは年魚で、多くの個体の寿命は一年なので休止帯が見られないのでしょう。
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