投網の柿渋染め

 久しぶりに投網を新調しました。特価品で3割ほど安く購入したものです。特価品といっても、保管中にクモか蛾でも卵を産んだようで、卵床らしい糸くずがくっついているだけです。

 糸くずを洗い流してから、早速投網を柿渋に漬け込みました。投網を入れたバケツに柿渋を流し込み、一昼夜漬け込んでおきます。翌日取り出して一度乾燥させます。その後、もう一度同じように漬け込みます。ほとんどの投網はナイロンモノフィラメントなので、柿渋は染みこまないと思われるでしょうが、茶褐色に染まりいい感じになります。

 普通の柿渋は、精製の段階で不純物が残るため、かなり強烈なにおいがしています。染め付け作業は狭い風呂場で行うので、このにおいはかなりの困りもので、乾燥後も投網から異臭を発することになってしまいます。そこで、現在はちょっと値段は張りましたが無臭柿渋を使っています。これなら作業も楽だし、異臭で周囲に迷惑をかけることもありません。

投網を柿渋で染めると、そのままの状態よりも少しだけしなやかになったような気がします。あくまでも気がする程度ですが。また、投網は数年使っていると経年劣化がおこり、少し引っかけただけで”ぴりぴりっ”と破けてしまうことがよくありますが、柿渋で染めておくと経年劣化がかなり防げるようです。おかげで、投網の寿命をかなりのばすことができます。